ゆるWeb勉強会@札幌 #6 で登壇の機会を頂きまして、Azure AppServiceのゆるいお話をしてきました。
お話しした内容
- クラウドに「100%」は存在しない
- App Serviceを使うとサクッと本格的にWebサイトを立ち上げることが出来る
- 日本にいながら南アフリカやインドのリージョンでサイトを立ち上げることが出来る!
銀の弾丸は存在しない
App Service自体とは関係ないのですが、最近話題になっているのでトピックを追加しました。
先日AWSの東京リージョンで空調障害に伴う大規模障害が発生し、日経コンピュータの記事には「安全神話が崩壊」という見出しまで出てきました。
誤解している人が非常に多いのですが、少なくともクラウドの世界に100%という数字はほぼ存在しません。(Azure DNSなど一部のサービスでSLA100%を宣言していますけど)
ロードバランサーで死ぬほど冗長化したとしても、データセンターが火災に見舞われてデータ消失というケースも考えられますし、落雷・地震などの自然災害という外部要因による障害も十分あります。
クラウドといえども、実体はデータセンター内にあるサーバ上で動いているという意味ではオンプレとさほど変わりません。手厚いサポートを得られたり、ハードウェアのメンテナンスやキッティングから解放されただけです。
そもそも安全神話なんてものは最初から存在しませんし、オンプレ同様に何かしらの障害は発生するものと考える必要があります。むしろ、「障害が発生してから迅速に復旧出来るように構成する」ことが今の時代重要になっています。
Azureであれば、Traffic Managerを使ってDNSレベルで複数のリージョンに通信を振り分けることが出来るため、構成さえ整えておけばリージョン単位で障害が発生した場合でもダウンタイムを縮める(もしくは0にする)ことが出来ます。
復旧にあたっても、「リソースを素早く確保出来る」というクラウドサービスの利点を駆使することも重要です。単一のVMで障害が発生した場合でも、Azure Backupを設定しておけば迅速にVMを立ち上げ直すことが可能です。
VMに限らず、必要に応じてリソースの作り直しや再配置・作成を素早く行えるというクラウドサービスの利点を生かした設計が重要になってくるのではないでしょうか。
App Serviceをサクッと使おう
初級者向けの勉強会ということもあったので、Webサイトをサクッと立ち上げ出来るという点にフォーカスを当てて、Freeプランでデモまで実施しました。
App Service(Web App)はロードバランサや冗長化構成を含めてフルマネジドで使えるWebアプリケーション実行環境を提供してくれるサービスで、難しい事を考えなくても高可用性を持つWebサイトを構築することが出来ます。
ソースコードのデプロイにはAzure DevOpsやGitHubも使えるので、是非試してみてください。